積層型のメリットとは?
スポンサーリンク

 最近はソニーのイメージセンサーが市場で影響力を強めていますね。ソニーは裏面照射型CMOSイメージセンサーの量産化に成功し、それまで日本のメーカではほとんどシェアがなかったCMOS市場でソニーがトップシェアを得るまでになっています。一つのイノベーションが世界シェアを握る良い例ですね。
 その裏面照射型CMOSですが、最近は積層型CMOSというものに置き換わりつつあります。この積層化にどのようなメリットがあるのでしょうかということで調べてみました。

 これまでの裏面照射型CMOSセンサは、画素部分と画像を処理する回路が同一の表面に形成されていました。そのため画素の面積に加え、回路の面積が必要になるため、センサーが大きくなってしまうというデメリットがありました。また、同一面に画素と回路を設置すると、設計上の問題が生じることがありました。例えば、回路の設計の都合でパターンを変更する必要があるとき、それが画素領域にも影響を与える可能性があるため、実際にセンサーを作る際には回路の設計が完全に完成していないと作ることができないというタイムラグが生じてしまう可能性がありました。そうすると回路設計に数年、それに併せた画素領域を設計して実際に製造するというように時間が非常に掛かってしまうことがあったようです。
 そこで登場したのが積層型CMOSイメージセンサです。積層型は例えばセンサーの上面に画素があり、その裏側に回路があるような形で二つの基板をくっつけたような形になっています。こうすることで画素領域は回路の設計に影響されることなく製造できるため、両者を同時に開発することができるので開発におけるタイムラグが少なく済みます。こうすると、新製品を次々と発売できるようになるわけですね。

 そして次に登場したのが、これをさらに発展させた3層積層型CMOSセンサーです。これはどうなっているかというと、前出の画素と回路の間にDRAMというメモリを配置することで、画素から直接メモリに信号を転送させることが出来るようになりました。
 これまでCMOSセンサーの弱点として、読み出し速度が遅く、高速な連写ができなかったり、いわゆる動体ゆがみ(よく言われるこんにゃく動画)が発生していました。これは1画素ごとに信号を読み出しているので、高速な被写体を撮影するとゆがみが生じてしまうという現象です。
 Nikon 1に搭載されているアプティナ製のセンサーでは、これを防止するために、センサーを何分割かに分割し、その分割した領域から同時に信号を読み出すことで、この問題点を解決したといわれています。またアプティナはソニーとCMOSセンサーに関するクロスライセンスを結び、そのアプティナのCMOSの高速読み出しに関する特許を使用できるようになり、ソニーセンサーの読み込み速度が向上したと言われています。
 ソニーはそれを一歩進め、すべての画素から同時に読み出すようなことをしており、そのためのデータの保存場所としてDRAMをセンサーに搭載し、さらなる高速読みだしを実現しているようですね。この技術におかげで、スロー撮影や、高速撮影、高速連写がスマホなどでも可能になり、カメラがかなり進化することになりました。今後がどのように発展していくのか楽しみですね。

 ところで、以前にNikon DLが画像処理チップに関する問題で発売延期(最終的には中止)になるということがありましたが、ひょっとしたらイメージセンサーに搭載される画像処理用の回路の設計がうまくいかなかったという可能性も考えられるのかなと考えています。もしそうであれば、センサーは回路が完成してから製造ということになるため、今ならまだ出血を最低限に抑えられると判断した可能性も考えられそうです。
 Nikon 1 J5では裏面照射型を採用していますが、これがAptina製であるとしたら、Nikon DLで初めてソニー製センサーを搭載しようとしたが、センサーメーカが異なるため画像処理回路の設計が変更になりうまくいかなかったという可能性も考えられそうです。
 そうなるとNikon 1シリーズの今後にも影響がありそうなので少し心配ではありますね。